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香(こう)を楽しむ

香りには、リラクゼーションや癒しなどの効用があると言われ、ライフスタイルに取り入れる人が増えています。中でもシニア世代に人気があるのが「香(こう)」です。香には、直接火を付けるタイプの「実用香」を室内でたいて気軽に香りを楽しむ以外にも、日本古来の芸能である「香道」を本格的に学ぶなど、様々な楽しみ方があります。
香道
香道とは?
「香道」とは、一定の作法に基づいて香木(こうぼく)をたき、その香りを鑑賞して楽しむ日本古来の芸能です。香道では、香元(こうもと)が香をたく一連の動作である「点前」をしてその香炉を客にまわしていき、ひとりひとりがその香りを楽しみます。
作法や流れは茶道と似ていますが、「香りを当てる」というゲーム的な要素があるという点で異なります。ただし、一番の目的は、香りそのものを味わうこと、香りが連想させるイメージの中で完成を磨いて自分を高めることであって、香りを当てることはその後の楽しみとなります。
また、2種類以上の香を組み合わせる「組香(くみこう)」の場合は、立ち上る香りに合わせた古典的な詩歌や文学などを鑑賞するのが主な目的となります。
香道の歴史
香木は、仏教の伝来とともに日本に伝わり、以来、仏教儀式において欠かせないものとなりました。
八世紀頃には、上流貴族の間で部屋や衣服などに香をたきこめる風習が生まれ、それに伴い2種類の薫物(たきもの)を調合してその技術や匂いの優劣を競う「薫物合(たきものあわせ)」という遊びが盛んに行なわれるようになりました。
その後、室町時代に一定の作法やルールが作られたことで「香道」として完成し、江戸時代には庶民の間にも広まりました。
香道の基本は「六国五味(りっこくごみ)」
香道では、香りはすべて「六国五味」で分類され、香木(沈香)の香りの微細な違いを楽しむことが、香道のきわみとされています。
六国(りっこく)とは、香木(沈香)を品質によって分類するもので、伽羅(きゃら)、羅国(らこく)、真南賀(まなか)、真南蛮(まなばん)、寸門多羅(すもたら)、佐曽羅(さそら)の6つを指します。
一方、五味とは、匂いの特色を5つの味覚で表したもので、甘(あまい)・苦(にがい)・辛(からい)・酸(すっぱい)・鹹(しおからい)に分けられます。
この六国五味を習得することで、よりいっそう香の世界を楽しむことができます。
香の種類と楽しみ方

香には、香道に用いる天然香木や、線香型(スティック)やコーン型をした手軽に使える実用香などがあります。実用香には、花やフルーツ、ハーブなどの香りがあり、ストレスの解消や気分転換の他、部屋の消臭などにも利用できます。ここでは、代表的な香りの種類と楽しみ方についてご紹介します。
香木(こうぼく)
香木とは、一般的に良い香りのする木のことを言い、主に香道で利用されます。また、線香などの原料としても使用されています。
代表的な香木には、沈香(じんこう)、伽羅(きゃら)、白檀(びゃくだん)などがあります。
代表的な香木
| 沈 香 | 樹脂が木質部に沈着して固まり、樹木自体が枯れていく過程でできたもの。東南アジアで産出される。 |
|---|---|
| 伽 羅 | 沈香と同様の過程を経て生まれた香木。沈香の一種ではあるが、香木の中で最上級とされている。ベトナムの限られた地域でごくわずかに産出される。 |
| 白 檀 | 主にインドやインドネシアなどで栽培され、香木以外に彫刻や扇子などの原料としても使用されている。サンダルウッドとも呼ばれている。 |
練香(ねりこう)
練香とは、粉末状の香料と炭の粉に、蜂蜜や梅肉を混ぜて練り上げ、壺の中で熟成させた球状の香を言います。現在は主に茶席などで使われています。
香炉や茶道の炉などの熱した灰の上に置き、香りを発生させて使います。
実用香(じつようこう)
実用香とは、火を直接つけて使用する香で、簡単で手軽に楽しむことができます。
形も香りの種類も様々で、香をたく場所や雰囲気、気分などに合わせて使い分けることができます。
主な実用香の種類
| 線香型 (スティック) |
最も一般的な形の香で、室内線香や仏事線香など、目的によって様々な種類がある。花の香りをはじめ、フルーツやハーブなどの香りのするものなど、薫りの種類も豊富に揃う。折ることで燃焼時間を調整することができ、香りも均一に広がる。 |
|---|---|
| コーン型 | 円錐上の尖った部分に火を付ける。火が下に行くほど燃える面積が広くなるため、香りが次第に強くなり、短時間で香りを楽しめる。灰が散らばらないというメリットがある。 |
| 渦巻き型 | 燃焼時間が長く、広い部屋や空気の流れが多い場所などに適している。金属製のクリップなどで挟んでおくことで、使用時間の調節ができる。 |
2008/05/14
